佐藤茂行自然農園

2.むかし野菜とは

自然野菜04近代農法(化学肥料と農薬)や牛糞・バーク堆肥(低窒素のため多投する問題)を使用し続けると、土は固くなり塩基濃度(養分が濃過ぎた土壌)が増し、健全な野菜が育ちにくい問題が出てくる。私も様々に土作りや施肥方法を考えて実験してきましたが、美味しい野菜にはなりませんでした。そこで思いついたのは、昔(戦前・戦後)の野菜作りはどうしていたのか?と言うことでした。
戦前・戦後まもなくは各農家に必ず牛を飼っていました。そこでは牛糞(畜糞)がわずかと入会地や山林・田などから藁・草や葉を集めたり、人糞を肥溜めで腐らせて、堆肥として畑や田にやっておりました。しかも何代も続けて堆肥をやりつづけるため、土壌には計測不能な種類の微生物が棲んでおり、土はふかふかと肥えており、野菜の味も冒頭で述べた味・香りが豊かでしゃきしゃきとした食感があり、美味しい野菜の思い出がかすかに残っております。(私自身も農家ではなかったですが、小さい頃、畑に肥を運んでいた記憶と野菜の懐かしい味の記憶が残っております)

☆私の土作り☆

自然野菜05大量の草(公園や河川敷の草)や葉のついた木の枝(剪定屑)を捨て場所に困っている園芸や造園士等の業者が、私の畑に持ってきます。それらを破砕したり選別し、葉や草を選り出します。(大きな枝は燃やし灰にして畑に戻します。ミネラル分が多く含まれている)近くの牛舎からおが屑の混じった牛糞を買い取り、それらの草や破砕屑と混ぜ合わせ、発酵させた堆肥を、野菜の植え替えの都度、(年に数回)畑に施肥します。

☆草・葉中心の植物性堆肥による土作り☆

◎植物性堆肥は完熟一歩前で畑に施肥する
その堆肥は窒素分が少ないかわりに、大量の微生物や放線菌(黴)や小虫が生きており、畑の中で残された有機物をめぐって微生物が増殖し、食物連鎖が起り、常に少量づつ窒素分を補給してくれます(土の中で発酵作用が長く継続して行われる状態)
1.このことによって、窒素分の継続補給効果が出ます(緩効肥料)
2.特定の有害病源菌の発生が抑えられる(食物連鎖)
3.自然の林や森の腐葉土のような土が形成される。(自然のリサイクル機能)
4.バランスのとれた微量のミネラルが効率良く土に残され続ける(海水に多く残されたミネラル分が雨となり地上に降り注ぎ、木や草の根から吸収される→植物性堆肥はそれらのミネラルが凝縮している)
◎農薬は一切使用できない
私の畑の土は小宇宙のように微生物達生命体の棲みかとなっており、微量な農薬でも彼等の一部を駆除することになり、食物連鎖を壊しかねませんので農薬が使用できないと言うことになります。
◎土作りは最低3年必要
早く思う土にしたくて、大量の堆肥を撒いてみましたが、無駄でした。昔の農夫は何代にも亘って土を作ってきたことを思い知らされましたし、人間のおごりを痛感させられました。3年経たなければ「金の土」にはなりません。自然野菜06

☆私の美味しい野菜作りへのこだわり☆

美味しい野菜作りは毎日が勉強であり、思考錯誤の連続であります。
当園は露地栽培が基本であり、毎日が自然との語らいです。雨が降りそうになると畝作り(除草し、堆肥を撒き、貝殻・灰・石灰を降り、畑を起こす作業)をし、種を播く、日が照り続けると水やりをし、虫が発生すると虫取りをし、大風が吹きそうになると竹で添えをし、畑の見回りをしながら、野菜に声をかけて回る毎日です。
不思議なもので声懸けを怠った野菜は成長不良や死んでしまったりします。大雨や台風により畑が全滅することもしばしばですが、自然の力には勝てません。その都度、人間のおごりを思い知らされます。「自然(大地)の中では人間は生きているのではなく、生かされている一つの生命体に過ぎないということです」